一部のPythonソフトウェアパッケージはシステムに付属しています。例えばsysです。これらのパッケージはPythonをインストールする際に自動的にインストールされます。しかし、一部のパッケージは自分でダウンロードしてインストールする必要があります。例えばPILです。これらのサードパーティのソフトウェアは、ソースコードの形式で提供されるものもあれば、インストールパッケージの形式で提供されるものもあります。

サードパーティのPythonパッケージをインストールする方法はたくさんあります。このセクションではいくつかの一般的な方法を紹介します。 

1、ソースコードをシステムディレクトリにコピーする

最も簡単な方法は、Pythonソースファイルをsys.pathに含まれるいずれかのディレクトリにコピーすることです。こうすることで、「import ファイル名」と入力するだけで、そのパッケージをインポートできます。

以下のコードでsys.path変数に含まれるパスを確認します。

>>> import sys
>>> sys.path
['', '/anaconda3/lib/python37.zip',
'/anaconda3/lib/python3.7',         # ここで使用するディレクトリ
'/anaconda3/lib/python3.7/lib-dynload',
'/anaconda3/lib/python3.7/site-packages',
'/anaconda3/lib/python3.7/site-packages/aeosa']

ファイルdemo1.pyをディレクトリ/anaconda3/lib/python3.7にコピーすると仮定します。これは上記のコードの4行目で指定されたディレクトリです。このファイルの内容は以下の通りです。

""" just a demo package
"""
var_str = "love python"
var_int = 88
def show_usage():
    print("just to demo the package installation")

これでdemo1モジュールを使用できます。方法は以下の通りです。

>>> import demo1
>>> demo1.var_int
88
>>> demo1.__doc__
' just a demo package\n'
>>> demo1.var_str
'love python'
>>> demo1.show_usage()
just to demo the package installation

2、PIPを使用してインストールする

最近では、PIPが人気のインストールツールです。このツールは一般的にPythonをインストールする際に正常にインストールされるため、別途インストールする必要はありません。PIPはクライアント側のインストールツールで、インストールパッケージはPyPIから取得されます。PIPはPyPIからインストールパッケージをダウンロードし、自動的にローカルにインストールします。

Pythonソフトウェアパッケージの作成者は、PyPIアカウントを持っている必要があります。これにより、自分が作成したPythonパッケージをPyPIにアップロードし、他のユーザーが使用できるようにすることができます。一方、一般ユーザーはPyPIアカウントを登録する必要はありません。ローカルにPIPクライアントプログラムがあれば十分です。

PIPは、インストール、アンインストール、インストール済みのソフトウェアパッケージの一覧表示などの機能を提供します。以下では、これらの一般的な機能について説明します。

1) インストール

インストールには、バージョン情報を指定しない場合と、バージョン情報を指定する場合の2つの一般的なコマンドがあります。それぞれの形式を以下に示します。

pip install パッケージ名
pip install パッケージ名==バージョン番号

すでにインストール済みのパッケージのバージョンを変更したい場合は、以下のコマンドを使用します。

pip install --upgrade パッケージ名==バージョン

以下は、Pythonパッケージlin-demoをインストールする例です。

$ pip install lin-demo
Collecting lin-demo             # lin-demoパッケージの関連情報を取得する
Downloading https://files.pythonhosted.org/packages/87          # インストールパッケージをダウンロードする
/35/985a9e7d7fd66bfe82c3c83092bb14d23105e15b5738e02b6c761737c8a8/
lin_demo-0.0.1-py3-none-any.whl
Installing collected packages: lin-demo # インストールする
Successfully installed lin-demo-0.0.1  # インストール成功。インストールされたバージョンを表示する

PyPIはオープンソースプロジェクトであるため、一部の企業では独自のPyPIサーバーを構築しています。一部の専用パッケージは、企業独自のサーバーからしか取得できない場合があります。この場合、デフォルトのサーバーではなく、PyPIサーバーの情報を指定する必要があります。以下のコマンドで、インストールパッケージのソースを指定できます。

pip install --index-url パッケージのソース パッケージ名

一度に多くのソフトウェアパッケージをインストールする場合、特に開発環境や実行環境を構築する際に、1つずつインストールコマンドを実行するのは面倒です。

この場合、インストールするパッケージをテキストファイル（例えばrequirements.txt）に記述し、そのテキストファイルを入力として使用することで、テキストファイルに記載されたPythonパッケージを一度にインストールできます。これはバッチ処理コマンドであり、形式は以下の通りです。

pip install -r パッケージリストファイル

パッケージリストを含むテキストファイルの形式も簡単です。一般的には、1行に1つのパッケージ名とバージョンを「パッケージ名==バージョン」の形式で記述します。以下はその例です。

CherryPy==13.0.0
Jinja2==2.10
MySQL-python==1.2.5
Routes==2.4.1
SQLAlchemy==1.1.15
Werkzeug==0.13
hpc==0.2.725
requests==2.18.4

2) アンインストール

アンインストールは比較的簡単です。1台のマシンには、あるソフトウェアパッケージの特定のバージョンしかインストールできず、それは必ずローカルにインストールされているため、アンインストールコマンドにはバージョン指定やソース指定のパラメータはありません。以下は、あるパッケージをアンインストールするコマンドの形式です。

pip uninstall パッケージ名

3) インストール済みのパッケージを確認する

時々、import文を実行すると例外が発生することがあります。これは、あるソフトウェアパッケージがインストールされていないか、インストールされているバージョンが正しくない可能性があります。この場合、以下のコマンドで、ローカルにインストールされているすべてのPythonパッケージを確認できます。

pip freeze

以下はその例です。

$ pip freeze
alabaster==0.7.12                # 0.7.12はバージョン情報
allure-pytest==2.7.0
allure-python-commons==2.7.0
anaconda-client==1.7.2
…                                           # その他のインストール済みのPythonパッケージ
anaconda-navigator==1.9.7
anaconda-project==0.8.2
appnope==0.1.0

4) あるパッケージの詳細情報を確認する

あるパッケージの具体的な機能や、それが依存しているパッケージの情報が不明な場合、以下のコマンドでそのパッケージの詳細な説明を確認できます。

pip show パッケージ名

以下はその例です。

$ pip show SQLAlchemy
Name: SQLAlchemy
Version: 1.2.11                    # バージョン情報
Summary: Database Abstraction Library
Home-page: http://www.sqlalchemy.org
Author: Mike Bayer
Author-email: mike_mp@zzzcomputing.com
License: MIT License
Location: /Library/Python/2.7/site-packages     # インストール位置
Requires:                              # それが依存しているパッケージ
Required-by:                        # そのパッケージに依存しているパッケージ

5) サーバー上のパッケージ情報を確認する

コマンドラインを使用してパッケージを検索できます。コマンドラインの形式は以下の通りです。

pip search パッケージ名

すると、指定したパッケージ名に類似するパッケージの情報（バージョンや説明情報を含む）が表示されます。以下は、demoという文字列が含まれるパッケージの情報を検索する例です。

$ pip search demo                             # demoに