このドキュメントで説明されているプロセス発見アプローチは、10種類の異なるリアルタイムビジネスプロセスの実行を表すトレーニングイベントログからプロセスモデルを発見し、導出されたモデルをプロセス発見手法の評価のために提供された2つのテストイベントログのセットで交差検証することを目的としています。各テストイベントログ（(test_log_april_1 から test_log_april_10) と (test_log_may_1 から test_log_may_10)）は、トレーニングログからのモデルの一部を表し、各ログには合計20のトレースがあり、モデルによって再生可能（許可される）トレースが10、再生不可能（許可されない）トレースが10で特徴付けられます。したがって、テストイベントログ（すなわち、4月のログと5月のログ）のトレースの総数は、((10個のログ × 20トレース) × 2) = 400トレースです。 目的は、分類タスクを実行して、2つのテストイベントログを構成する400の個別トレースを特定し、トレーニングモデルのペトリネット表現と、テストログに記録された振る舞い/トレースのテストと評価を可能にするビジネスプロセスモデル表記法（BPMN）マッピングを提供することです。提案されたアプローチの目的は、「過学習」と「未学習」のバランス面で元のプロセスモデルに一致するプロセスモデルを発見して提供することです。プロセスモデルが過度に制約的で、基礎となるプロセスの一部である振る舞いを許可しない場合、そのモデルは（イベントログに対して）過学習と見なされます。一方、制約が不十分で、基礎となるプロセスの一部ではない振る舞いを許可する場合、そのモデルは（現実に対して）未学習と見なされます。 この課題に対応して、我々は、「テスト」イベントログの分析に基づいて再生可能なトレースを正しく分類できるだけでなく、「過学習」と「未学習」のバランスが良いモデルを提供することを目指しています。つまり、 - 実際のプロセスの振る舞いを表すトレース (t) が与えられた場合、プロセスモデル (m) はそれを許可されると分類する、または、 - プロセスに関係のない振る舞いを表すトレース (t) が与えられた場合、プロセスモデル (m) はそれを許可されないと分類する。 このドキュメントには、提供されたイベントログの分類試行が含まれており、採用されたプロセスモデリング表記法の再生セマンティクスについて議論されています。言い換えれば、発見されたペトリネットとBPMNの再生表記法において、任意のプロセストレース t（テストイベントログ用）とプロセスモデル m（トレーニングログ用）が与えられたときに、トレース t がモデル (m) で再生可能かどうかを明確に判断できる方法について議論しています。また、プロセスモデルを発見するために使用されたツールや、分類タスクの結果を検証する方法についても説明しています。我々がプロセス発見コンテストを解決するために使用したアプローチは、[1]で説明されているいくつかの定義と手法によって支持されています。委員会による採点後の最終結果は、我々が採用したプロセスマイニングアプローチが元のプロセスモデルのトレースの85.5％を正しく分類したことを示しています。